ゴムの種類とそれぞれの用途を徹底解説｜失敗しない素材選び完全ガイド
ゴムは自動車部品、工業製品、日用品、医療機器まで幅広く利用される重要素材です。しかし、種類ごとの特性を理解せずに選ぶと、性能や寿命に大きな影響を与えます。本記事では、ゴムの種類とそれぞれの用途を徹底解説し、初心者でもわかりやすく正しい素材選定のポイントを紹介します。さらに、加工方法や耐久性比較、活用事例も紹介し、製品設計に役立つ情報を網羅しています。
ゴムの基礎知識と分類
ゴムは天然ゴム(NR)と合成ゴムに大別されます。それぞれの特性や物性、代表的な用途を理解することが、製品性能を最大化するために不可欠です。
天然ゴム（NR）の特徴
天然ゴムはパライソプレンの高分子から成り、優れた弾性と耐疲労性を持ちます。自動車タイヤや工業用ホースに広く使用され、衝撃吸収や振動緩衝に最適です。温度範囲は-50〜100℃で、耐油性や耐薬品性は限定的です。ゴムの種類と基礎知識に関して解説で詳しく紹介しています。
合成ゴムの主な種類と特性
- ニトリルゴム（NBR）：耐油性に優れ、自動車の燃料系ホースやシール材に最適。-30〜100℃で安定。 用途と性能に関して解説
- ブタジエンゴム（BR）：耐摩耗性・耐衝撃性が高く、靴底やタイヤ補強材、ベルトに使用
- エチレンプロピレンゴム（EPDM）：耐候性・耐紫外線性に優れ、窓材や屋外用シール材に最適。 用途別ゴム選定ガイド
- シリコーンゴム（SR）：耐熱・耐寒性が高く、医療部品、電子部品、耐熱シール材に利用。 シリコーンゴム加工解説
- フッ素ゴム（FKM）：高温・耐薬品性に優れ、燃料系部品や化学装置で活躍。フッ素ゴムの用途と性能
ゴムの物性比較表
主要ゴムの弾性、耐油性、耐摩耗性、耐薬品性、温度範囲を比較した表です。選定時の参考として活用できます。
| 種類 | 弾性 | 耐油性 | 耐摩耗性 | 耐薬品性 | 温度範囲 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 天然ゴム(NR) | 非常に高い | 低 | 高 | 中 | -50〜100℃ | タイヤ、ホース、工業用ベルト |
| ニトリルゴム(NBR) | 中 | 非常に高い | 中 | 高 | -30〜100℃ | 耐油部品、シール材、ホース |
| ブタジエンゴム(BR) | 中 | 低 | 非常に高い | 低 | -40〜80℃ | 靴底、タイヤ補強材、工業用ベルト |
| EPDM | 中 | 中 | 中 | 中 | -50〜150℃ | 屋外用シール材、窓材、建材 |
| シリコーンゴム(SR) | 高 | 中 | 中 | 中〜高 | -60〜250℃ | 医療部品、耐熱シール材、電子部品 |
| フッ素ゴム(FKM) | 中 | 高 | 高 | 非常に高い | -20〜250℃ | 燃料系部品、化学装置、シール材 |
ゴムの加工・成形方法
ゴムは熱可塑性ではなく加硫処理を行い、圧縮成形、射出成形、押出成形などで製品化されます。成形条件や加工方法によって物性や耐久性が変化するため、用途に応じて最適な加工方法を選ぶことが重要です。
用途別のゴム選定ポイント
- 衝撃吸収や弾性重視：天然ゴム(NR)やブタジエンゴム(BR)
- 耐油性・耐燃料性：ニトリルゴム(NBR)
- 耐候性・屋外使用：EPDMや特殊配合ゴム
- 高温・耐寒：シリコーンゴム(SR)やフッ素ゴム(FKM)
ゴム素材選定の実務ポイント
製品設計時には、以下の点を考慮する必要があります。
- 環境条件（温度、湿度、油・薬品接触）
- 耐久性・寿命の目標値
- 成形方法との相性
- コストと入手性
これらの選定ポイントは、材料選定ガイドで詳しく解説しています。
よくある質問（FAQ）
天然ゴム(NR)はパライソプレンを主体とした高弾性素材で、衝撃吸収や振動緩衝に優れます。一方、合成ゴムは耐油性や耐薬品性、耐熱性に特化した種類があり、用途によって選定されます。ゴムの種類と基礎知識について詳しく解説しています。
耐油性に優れるのはニトリルゴム(NBR)で、燃料系ホースやシール材に適しています。衝撃吸収性を重視する場合は天然ゴムやブタジエンゴムを組み合わせることも有効です。ニトリルゴムの用途と性能について詳しく解説しています。外部参照として物質・材料研究機構（NIMS）のデータも参照可能です。
ゴムは熱可塑性ではなく、加硫処理による圧縮成形、射出成形、押出成形などで製品化されます。加工条件により物性や耐久性が変わるため、用途に応じた方法を選ぶことが重要です
まとめ
ゴムは種類ごとに弾性、耐油性、耐摩耗性、耐熱性、耐候性などが大きく異なります。正しい知識とデータに基づき選定することで、製品性能と寿命を大幅に向上させることが可能です。本記事ではゴムの種類とそれぞれの用途、物性比較、加工方法、選定ポイントを網羅的に解説しました。製品設計や素材選定で失敗しないために、各リンク先の詳細記事もあわせてご活用ください。
