イソプレンゴムは、天然ゴムに化学構造が近い合成ゴムで、高弾性・柔軟性・耐摩耗性を兼ね備えた素材です。タイヤやホース、工業用シール材など幅広い分野で使用されるため、特性を正しく理解することが材料選定の鍵となります。
イソプレンゴムの化学構造と物理特性
イソプレンゴムは、ポリイソプレンを主成分とする合成ゴムで、分子鎖が天然ゴムと類似しており、優れた伸縮性と復元力を持ちます。分子構造上、二重結合が連なっていることで、弾性や耐摩耗性に直結しています。さらに架橋度合いを調整することで、硬度や耐熱性を製品用途に合わせて調整可能です。詳細な材料特性は、ゴム材料選定ガイドに関して解説で詳しく解説しています。

弾性と復元力
イソプレンゴムは高い弾性率を持ち、引っ張りや圧縮後も元の形状に戻る復元力があります。この特性により、タイヤやゴムローラー、スポーツ用品など、繰り返し変形する製品に適しています。
耐摩耗性と耐候性
摩擦や擦れに強く、長期間使用しても性能が劣化しにくい特徴があります。屋外用途では、EPDMほどではないものの耐候性もあり、紫外線や酸素による劣化を一定程度抑制できます。
耐熱性と加工性
常温〜中温環境(おおよそ60〜80℃)で安定した性能を発揮します。加工性も良好で、押出成形や圧縮成形、射出成形など、各種工法に対応可能です。より高温や特殊条件下でのゴム選定は、ゴムの耐熱性比較に関して解説で詳しく確認できます。

イソプレンゴムの主な用途
高い弾性と耐摩耗性を活かして、イソプレンゴムは幅広い用途で活用されます。以下に分野別の具体例を紹介します。
タイヤ・輸送機器部品
- 自動車・自転車タイヤ:弾性と摩耗耐性を活かした走行性能
- ゴムローラー:印刷機や製紙機械の搬送部品として使用
- ベルト・シール材:柔軟性と耐摩耗性を両立
タイヤ用途では、耐摩耗性や復元力が求められるため、イソプレンゴムが選定されます。製造条件や硬度調整については、ラテックスと他ゴム材料の比較に関して解説で詳しく紹介しています。

工業・日用品
- ホースやチューブ:柔軟性と耐圧性を活かした設計
- 工業用パッキン・Oリング:耐摩耗性と弾性を確保
- ゴム手袋・スポーツ用品:伸縮性と操作性を重視
工業用途では、製品寿命や安全性を重視して選定されることが多く、コストと性能のバランスを考慮することが重要です。
特殊用途
- 医療・衛生用品:操作性が求められる手袋やカテーテル部材
- 精密機械部品:振動吸収やシール性の確保
- 電子機器向けゴム部品:柔軟性と寸法安定性の両立
特殊用途では、物理特性だけでなく化学的安定性や安全性も重要です。
他ゴム材料との比較
イソプレンゴムは天然ゴムに似ていますが、他ゴム材料と比較することで用途の最適化が可能です。
| 材料 | 弾性 | 耐摩耗性 | 耐候性 | 加工性 |
|---|---|---|---|---|
| イソプレンゴム | ◎ | ○ | △ | ◎ |
| 天然ゴム(NR) | ◎ | △ | △ | ◎ |
| NBR | ○ | ◎ | △ | ○ |
| EPDM | △ | ○ | ◎ | ○ |
| フッ素ゴム(FKM) | ○ | ◎ | ◎ | △ |
イソプレンゴムの選定時の注意点
- 高温環境:60〜80℃以上の環境では弾性低下の可能性
- 耐薬品性:油や酸には弱いため接触条件に注意
- 長期使用:紫外線や酸素による劣化に留意
使用環境に応じた選定は、性能確保とコスト最適化のために重要です。詳細はゴム材料選定ガイドに関して解説で確認できます。

よくある質問
まとめ|イソプレンゴムの特性を活かす
イソプレンゴムは、高弾性・柔軟性・耐摩耗性を兼ね備えた汎用性の高い合成ゴムです。用途に応じた特性理解と材料選定が、製品品質と耐久性を左右します。タイヤ、ホース、工業部品など幅広い分野で活用でき、他ゴム材料との比較により最適な設計が可能です。

