クロロプレンゴムとは何か|工業用ゴムで重視される理由

クロロプレンゴム(CR)は、クロロプレン(2-クロロ-1,3-ブタジエン)を重合して得られる合成ゴムです。
分子鎖中に塩素原子を含む点が、他のジエン系ゴムとの決定的な違いであり、これが多くの機能特性を生み出しています。

塩素原子がもたらす性能的メリット

分子内の塩素原子は、分子間力を強め、外部環境に対する安定性を向上させます。
その結果、以下のような特性が発現します。

  • 酸素やオゾンによる劣化を受けにくい
  • 燃焼時に自己消火性を示しやすい
  • 油類に対する膨潤が比較的少ない
目次

クロロプレンゴムの主な特徴

クロロプレンゴムの特徴は一言では語れません。
実務で重要となる代表的な特性を、用途判断の視点で整理します。

耐油性と耐薬品性のバランス

クロロプレンゴムは、NBRほどの耐油性はありませんが、
一般鉱物油やグリースに対して実用十分な耐性を持ちます。
そのため、油分が存在する環境で、かつ耐候性や難燃性も同時に求められる用途に適しています。

耐候性・耐オゾン性

屋外環境で使用されるゴム製品において、紫外線やオゾンによる劣化は避けられない課題です。
クロロプレンゴムは分子構造が安定しており、長期間にわたり物性低下が起こりにくい点が評価されています。
建築用シール材や屋外設備向け部材で採用される理由がここにあります。

難燃性・自己消火性

クロロプレンゴムは、燃焼源を取り除くと火が消えやすい自己消火性を示します。
電気設備や輸送機器など、火災リスクを考慮すべき分野では大きなメリットです。クロロプレンゴムの用途|どの分野で使われているのか

クロロプレンゴムの用途は多岐にわたります。
特徴と用途を結びつけて理解することで、材料選定の精度が大きく向上します。

工業用部品・機械部品

パッキン、ガスケット、ホース、ベルトなど、機械内部や周辺で使用されるゴム部品に多く採用されています。
油・熱・屋外環境が複合する条件下でも性能バランスを維持できる点が理由です。
ゴム部品の種類と選定基準については、
ゴム部品の種類と選定基準に関して解説で詳しく解説しています。

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建築・土木分野

建築用シール材、防振ゴム、伸縮目地材などにもクロロプレンゴムは使用されます。
耐候性と耐久性が求められる長期使用前提の部材において、コストと性能のバランスが評価されています。

電気・電子機器分野

電線被覆や保護カバーなど、電気絶縁性と難燃性が同時に必要な用途でも使用されます。
特に屋外配線や可動部の保護用途では、環境耐性の高さが重要な判断基準となります。

他のゴム材料との比較で見える位置づけ

クロロプレンゴムの特徴と用途を正しく理解するには、他材料との比較が欠かせません。

材料 耐油性 耐候性 難燃性
クロロプレンゴム
NBR
EPDM

このように、クロロプレンゴムは「突出した一点性能」よりも、
総合性能の高さで選ばれる材料であることが分かります。

クロロプレンゴムを選定する際の注意点

万能に見えるクロロプレンゴムにも、注意すべき点は存在します。
高温環境や強酸・強アルカリ条件では、他材料の方が適するケースもあります。

実際の選定では、使用温度、接触物質、寿命要求を整理したうえで判断することが重要です。
材料選定の考え方全体については、
ゴム材料選定の基礎に関して解説で詳しく解説しています。

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よくある質問

クロロプレンゴムの耐油性はどの程度ですか?
クロロプレンゴムは、NBRほどの耐油性はありませんが、一般鉱物油やグリースに対しては十分な耐性を持ちます。油分がある環境でも耐候性や難燃性を保ちながら使用可能です。
屋外でクロロプレンゴムを使用しても大丈夫ですか?
はい、クロロプレンゴムは紫外線やオゾンに強く、長期間にわたり物性が安定しています。建築用シール材や屋外設備向け部材に多く採用されており、耐候性が高い素材です。
クロロプレンゴムはどのような分野で使われていますか?
工業用部品(パッキン・ガスケット・ホースなど)、建築・土木(防振ゴム・伸縮目地材)、電気・電子機器(電線被覆・保護カバー)など幅広い分野で使用されています。
クロロプレンゴムを選ぶ際の注意点はありますか?
万能に見えるクロロプレンゴムでも、高温環境や強酸・強アルカリ条件では他材料の方が適する場合があります。使用温度や接触物質、寿命要求を整理して選定することが重要です。

まとめ|クロロプレンゴムの特徴と用途を正しく理解する

クロロプレンゴムは、耐油性・耐候性・難燃性を高い次元で両立した、
非常にバランスの取れた合成ゴムです。
「クロロプレンゴム 特徴 用途」を正しく理解することで、
不要なオーバースペックや材料ミスマッチを防ぎ、製品品質とコストの最適化につながります。

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