ニトリルゴム（NBR）の成分・耐熱性・特性物性を徹底解説｜失敗しない選定ガイド
自動車の燃料ホースや工業用シール材に広く使われているニトリルゴム（NBR）。検索ユーザーが最も気にするのは「どんな成分でできているのか」「耐熱性はどの程度なのか」「他のゴムとの違いは何か」という疑問です。本記事では、NBRの基本成分から耐熱性・特性物性、そして実際の用途での活用法までを徹底的に解説します。
ニトリルゴム（NBR）の基本成分と特徴
ニトリルゴムはアクリロニトリル（AN）とブタジエン（BD）を共重合して得られる合成ゴムです。AN含有率を調整することで耐油性や柔軟性が変化し、幅広い用途に対応可能です。
- AN含有率が高い → 耐油性に優れるが低温柔軟性が低下
- AN含有率が低い → 柔軟性に優れるが耐油性は劣る
この成分バランスを理解することは、材料選定において極めて重要です。NBRの基本メカニズムについては、ニトリルゴムの基礎特性に関して解説で詳しく整理しています。
ニトリルゴム（NBR）の耐熱性と耐寒性
NBRは一般的に-30℃〜100℃程度の温度範囲で使用可能です。AN含有率や配合剤によっても耐熱性は変化し、耐熱グレードでは120℃程度まで安定使用できます。ただしシリコーンやFKM（フッ素ゴム）と比較すると高温耐性では劣ります。
| ゴム種 | 耐熱温度範囲 | 耐油性 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| NBR | -30〜100℃（特殊グレードは120℃） | 非常に高い | 燃料ホース、パッキン、Oリング |
| EPDM | -40〜150℃ | 低い | 屋外パッキン、自動車シール材 |
| シリコーン | -60〜200℃ | 低い | 電気絶縁材、耐熱部品 |
耐熱性比較の詳細は、耐熱性ゴム材料の比較に関して解説で整理しています。
さらに、外部情報としてJIS K 6257（耐熱試験方法）にも規定されており、JIS公式ページを参照すると信頼性の高い情報が得られます。
ニトリルゴム（NBR）の特性物性
NBRの代表的な物性を以下の表にまとめます。
| 物性項目 | 代表値 |
|---|---|
| 引張強さ | 15〜25 MPa |
| 伸び | 300〜500% |
| 硬度（ショアA） | 40〜90 |
| 耐油性 | 非常に良好（特に鉱物油） |
これらの数値はあくまで代表値であり、配合やグレードによって大きく変化します。
用途別にみるNBRの強みと弱点
NBRは耐油性に優れるため、自動車産業や産業機械に多用されます。一方で、耐候性や耐オゾン性は低く、屋外用途には不向きです。
- 強み：耐油性、機械的強度、コストパフォーマンス
- 弱点：耐候性の低さ、耐熱性の限界
NBRの用途ごとの具体的な事例は、ニトリルゴムの用途事例に関して解説で取り上げています。
よくある質問（FAQ）
ニトリルゴムはアクリロニトリル（AN）とブタジエン（BD）の共重合体で、AN含有率を調整することで耐油性や柔軟性を変化させられます。成分比率の理解は材料選定で非常に重要です。詳細はニトリルゴムの基礎特性に関して解説で整理しています。
NBRの一般的な耐熱範囲は-30℃〜100℃で、特殊グレードでは120℃程度まで安定使用できます。高温耐性はシリコーンやFKMに劣りますが、燃料ホースやパッキン用途には十分です。耐熱性の比較は耐熱性ゴム材料の比較に関して解説で詳しく説明しています。
NBRの強みは耐油性や機械的強度、コストパフォーマンスで、自動車や産業機械で多用されます。一方、耐候性や耐オゾン性は低く、屋外用途には不向きです。用途別の具体事例についてはニトリルゴムの用途事例に関して解説で紹介しています。外部情報として物質・材料研究機構（NIMS）も参考になります。
まとめ
ニトリルゴム（NBR）は、成分比率の調整によって性能をカスタマイズできる柔軟性の高い合成ゴムです。耐油性を重視するなら最適ですが、高温や屋外使用には注意が必要です。内部リンクで紹介した関連記事を参考にしつつ、用途に応じた材料選定を行うことで失敗を防げます。
